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娘の14 回目の誕生日、つれづれ。

更新日:2019年3月6日


私と、私の書いた手紙たちの物語《 その 2 》

My Dear Family ! 2005 年 3 月 5 日(土)



娘の 14 回目の誕生日の朝が、再び巡ってきた。

愛と感謝に胸が満たされるこの特別な日が、こうしてまた訪れる喜びを、どう言葉にできよう。

娘が今生歩く舞台の幕開けを”ここ”と決め、私を母に選んで生まれてきてくれた事に、深く深く感謝したい。


生まれてきれくれて、本当にありがとう。

側にいてくれて、本当にありがとう。

私を大きく成長させてくれてありがとう。

たくさんの笑いと美しい言葉の数々で、私を支えてくれてありがとう。

あなたのお母さんでいさせてくれてありがとう。


娘が 1 つ 1 つ歳を重ねて素敵な人に成長してくれているのを、じっくりと噛み締める日であると共に、私にとっても、母親という掛け替えのない人生体験を賜った、まさに至福の記念日である。



14 年前の私は、家族への手紙に、こう書いていた。


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My Dear Family ! 2005 年 3 月 5 日(土)


今日という日は正しく私の人生に於いて最大の転換期の要となる。この私もとうとう母親という大切な役割を担ってしまった。遂に娘が誕生したのである!

1日を振り返って書くべき事は余りにあり過ぎる。今はただ感無量の一言に尽きるけれど、出産というのがこんなにもハードワークだったとは夢にも思わなかったし、そのハードワークを無事成し遂げられたという充実感でいっぱい。

(中略)

自宅分娩が叶わなかったのはとても残念でならないけれど、結果的には大満足。スタッフの全員がこれ以上望めないくらい素敵で誠意溢れる人ばかりだったし、ハンス(主人)は最高に強い心の支えになってくれた。お陰で私も精一杯の力を発揮できたと思う。

助産婦さんが「どうだった?」と訊いてきて、「こんなに大仕事だとは思ってもみなかったです」と答えると、「そうでしょう。でもね、神様は、本当に価値ある宝物は、タダでは与えてくださらないのよ。辛い苦しみと引き換えなの」と微笑む。

その意味が、あれから数時間経って、再び子供と対面した時に、さざ波の様に全身に押し寄せてきた。

(中略)

なんていう日だろう。30 年の締めくくりにぴったりな一大行事となり、これ迄で

1 番大きな苦しみと 1 番大きな喜びを、今日 1 日でいっぱい手に入れてしまった。

子供の誕生と共に、私自身も 0 歳に戻って(子供と共に新たな人生を再スタートするという意味で)初心にかえって頑張っていくぞ!


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ねえ、あーちゃん。

あなたと家族になってから、もう14年も経ちました。でも、あっという間だったね。

あなたが来てくれた日から、ママの住む世界には、ずっと光が溢れています。


誰も知る人のいない美しい石垣島で、あなたを迎え入れる準備をパパと整えました。

パノラマ・ウィンドーから入り込む暖かい色の夕陽が部屋中を染める新栄町のスナック・バーの空き部屋を借りて、7 ヶ月間の住処にしました。

あなたが動き回る大きくなったお腹を抱えながら、自宅出産を思い描いて、大掃除に明け暮れた日々も、楽しい思い出です。


それなのに、好奇心旺盛なあなたは、出産予定日よりも 2 週間も早く、慌ててこの世に出て来ました。

早く世界を見たかったのかな? 

ママに抱っこさせてくれようとしたのかな?




真夜中に破水が起こった時、自宅出産を泣く泣く諦めて、助産婦さんと八重山病院へ行きました。

ママとあーちゃんは、あの 14 年前の朝、一生懸命に2 人で力を合わせて初めての大仕事を一緒にやり遂げたね。

そして、早朝 4 : 30 am に大急ぎで駆け付けて、ずっと側で励ましてくれたパパが、へその緒を切ってくれました。ああ、そうか、親子 3 人でやり遂げたんですね。


そんなに大げさには言うつもりもないけれど、本当に一生懸命、命を懸ける価値のある崇高な体験でした。あなたのお陰。ありがとう。


予定日よりも 2 週間の早産。胎脂が付いたままの誕生。3046g, 50.4cm。

5 時間の奮闘の末、生まれたてのあなたは、まだ身体中に白いバターの様な胎脂を纏っていました。

生まれてすぐにママの胸の上で、私に抱かれながら初乳を吸って、微笑んでいました。

いつも歌っていた”キラキラ星”をママが歌うと、細い両手をグーパーしているのが、本当に可愛かった。お腹の中で聴いていた歌、覚えてくれていたのね。


あなたがママのお腹に入った時、ママにはすぐに、その子が女の子だと分かりました。

あなたとまた会えるんだって、とてもワクワクドキドキしていたの、知っているでしょう。

これからのママの人生、あなたのお母さんを体験させて貰う中で、急速に意識の拡がりが起こっていく事を確信していました。


だから、ママが有する体験や学び、感性や愛情や喜びや美しいものを、全てあなたに手渡そうと決心しました。

その決意は、1 度たりとも揺らぐ事がありませんでした。

ママの人生は、あなたを幸せにする為にある。ママの氣付いた事、学んだ事、感じた事、ぜーんぶ、あなたと共有していきましょう。

あなたに、最善、最良の自分自身の在り方を楽しんで貰いたいのです。

ママは、あなたの素晴らしい大冒険を全力でサポートする決心をしたのです。神さまに誓ったのです。

今でも、後悔は 1 つもありません。

ただただ、楽しい煌めく瞬間瞬間の積み重ね。

それもあなたのお陰。ありがとう。


思い出の地、石垣島の目の覚める様な碧い海を、あなたの名前に決めました。

純粋で、まっすぐで、公平な心を持ったあなたを見ていると、この名前を選んだのはあなただったんだと思わずにはいられません。


赤ちゃんの時から、好奇心の塊でしたね。

何でもしたがり、何でも話したがった。空まで飛びたがった。

2 歳 でハサミ、4 歳で包丁を使い始めたあなたは、いつも真剣な眼差しと集中力で、あっという間に道具の達人になってしまいましたね。

ママは、あなたの好奇心、探求心、向上心が大好き。

あなたと一緒に、いつもたくさんの創造を繰り返しました。本当に楽しかった。


いつも、お月さまとお話したり、お花とお話したり、動物達とお話していたね。

道端の花の 1 つ 1 つに挨拶しては香りを嗅いでいた。「きれい〜」と嗅いだ百合の花粉が付いて、鼻の先が真っ赤に染まった私の天使。

いつも色んな動物達ともすぐにお友達になっていました。


美しいもの、綺麗なもの、本当のものが大好きなのは、今も変わらない。

自分の理想も、生きる姿勢も、常に”まっすぐで偽りのない”美しさの中にあるあなた。

その純粋で、誠実で、ユーモラスで、感動したがりで、そして何でも楽しみたがり屋のあなたらしく、たくさんの体験をいっぱい重ねていってください。


あなたのまっすぐで、軸のぶれない姿は、ひょっとすると周りの人に理解されにくいかもしれません。疎まれるかもしれません。排斥しようとする人がいるかもしれません。

でも、あなたの優しさと強さは、傷付きながらもきっとそれらも許容し、自分を励ましながら、自らの信念を貫き通すことでしょう。自分の描く理想の姿を追い求めるでしょう。


何も怖がる事なく、不安に思う事なく、あなたが体験する全ての尊い瞬間を、楽しく味わい尽くしてください。

あなたには、困難に”艱難辛苦”と名付ける事は似合わない。

いかなるチャレンジにも、あなたの類稀なる観察眼と感性で全てと真摯に向き合い、自分自身の力で、喜びと感謝に変えていってください。

1 つ 1 つの体験が、あなたをどんどんと輝かせていくからね。

全てをただただ、楽しんでください。


常に遊び心をもって純粋なあなた。

常に高い理想を持ち続けながら流される事を好まず、常に誠実に自分の道を真剣に見詰めている人を、ママは知らない。

ママは、あなたを信じている。

あなたを全宇宙よりも愛している。

そして、ママは、ずっとあなたの最大のファンでい続ける事でしょう。

いつもいつも、あなたの最善と幸せを願っています。

あなたが自分で見付けていく幸福の道のりを、私は共に涙を流し、お腹を抱えて笑い、常に隣に寄り添いながら、ワクワクドキドキしながら見守っていきます。



ママは、あなたのお母さんである事を通して、人が成長する事の素晴らしさ、命の尊さやありがたさ、たくさんの氣付きや学びを享受しました。

それらを、あなたやママの生きている掛け替えのないこの美しい世界・宇宙の全てに、愛と敬いと感謝の氣持ちを絶えず持ち続けながら還元していこうと思います。


石垣島, 川平湾にて。(2010-03-14)

1 年に 1 度、少しずつ歳を重ねてどんどん素敵な人に成長してくれているあなたの姿を確かめ、喜びを感じさせて貰えるこの良き日が、またこうして巡ってくる事を、神さまに感謝いたします。

あなたに恥ずかしくない様な生き方ができる様に、私自身の人生の軌跡をしっかりと確認させていただけるこの特別な日の恩恵を、神さまに感謝いたします。


そして、いつの日にか、今日のこの私の胸の思いがあなたに届く様に、ここにママの真実を記しましょう。愛を込めて。


14 歳のお誕生日、おめでとう。



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